ムーミンの世界観は?ちょっと怖い?原作小説第一作『小さなトロールと大きな洪水』

2024年11月30日

ぼくは、数年前にムーミンの小説シリーズを読んでから、ムーミンが大好きになりました!

同じくムーミンファンの方は共感できると思いますが、

ムーミンの魅力は見た目がかわいいだけではないんですよね~。

原作者「トーベ・ヤンソン」の生涯を知っていると、よりムーミンの世界を楽しめるんです。

そういえば、映画「TOVE/トーベ」が日本では昨年公開されて、ぼくも観に行きました。

最近Blu-ray、DVDが発売されたみたいなので、また見直してみたいですね。

目次

小説 ムーミンシリーズについて

全9冊の「ムーミン」シリーズは、1945年から1970年の間、

フィンランドの芸術家「トーベ・ヤンソン」によって、かかれました。(絵と文、両方)

全体の話の内容は繋がっているのですが、一冊ごとにそれぞれ雰囲気が違うことに驚きます。

第二作目は日本語版では

ムーミン谷の彗星(すいせい)という題名ですが、

原作のスウェーデン語は『彗星来る』という、危機感を覚える題名です。

二作目にして、ムーミン小説シリーズ最大の脅威がムーミン谷に迫ります。

第三作目たのしいムーミン一家は、原題である『魔物の帽子』を巡って

ムーミン谷に次々と変わったことが起こります。

困ったことは発生しますが、彗星が迫ってくる「生命の危機」ではなく、

ファンタジーな展開なので、

読み手としては、どうなるのかわくわくしながら読めます。

第四作目ムーミンパパの思い出』は、題のとおり

ムーミンパパがメインで、彼が昔の冒険について語っていきます。

……というように、

ムーミンの小説は、

物語ごとにテイストが異なっていることが魅力です。

それは作者トーベ自身やその頃の時代の状況が表れていたりします。

調べてみると面白いです!

さて、そのムーミン小説ですが、

ぼくは講談社の文庫版セットで読んでいます。

画像のようなかわいい箱が付いてきて、そこに保存できます!

一冊入れ忘れていました。すみません。今読んでいる、最終巻の『ムーミン谷の十一月』です。

『小さなトロールと大きな洪水』あらすじ

それでは小さなトロールと大きな洪水を紹介していきます。

冬が来る前に家を建てるところを見つけるため、「ムーミンママ」と「ムーミントロール」

が、深い森の中にいるところから始まります。

そこで小さな生き物「スニフ」に出会い、一緒に行動することになります。

旅の途中「チューリッパ」「赤い髪の少年」との交流で、

「ニョロニョロ」と旅に出てしまった「ムーミンパパ」がこの近くにいそうなことを知ります。

パパを探すため、チューリッパたちと別れ、また3人で歩いているうちに

大雨が数日続き、洪水が起こってしまい……。

と、このようなストーリーになっています。

感想など

ぼくはムーミン小説シリーズで、これを一番最初に読みました。

まず、絵の感想は、「ちょっと怖い!」でした。

上の表紙の写真を見てください。

暗く大きな森の中にいる小さな生き物(ムーミントロールとムーミンママ)、

その奥から覗いている生き物。

なんとなく寂しい感じがします。

ムーミンたちの鼻がちょっと細長くなっていて、ふんわりした印象ではありません。

ちなみに、作者のトーベがこの話を書き始めたときは、第二次世界大戦が始まる頃だったそうです。

その頃の世界の、暗い雰囲気がなんとなく感じられるのかなと思います。

だんだん、ムーミンの絵はまん丸ふんわりと、可愛くなっていきます。

ぼくはこの「小さなトロールと大きな洪水」をムーミン小説シリーズで一番最初に読みました。

この記事を書くにあたり、改めてざっと読み返してみたところ、

この物語には、

他のムーミン小説にはない設定や表現が少しあることに気づきました。

まず、「人間」が存在するところにムーミンたちも存在していて、

ひっそりと暮らしていること。

他のムーミン小説いおいて、ムーミンたちは

「ムーミントロール」という生物なのですが、

この話では、人間にとってムーミンたちは「妖精」なのですかね。

今の「ムーミン谷」の世界には出てこないだろう「ジェットコースター」があったり、

「車を買う」というセリフがあったりするところも、人間が存在する世界だなと感じられます。

この一冊だけ読んでも、「ムーミン小説」がわかるかといったら、わからないです(笑)

シリーズの他作品と比べて違うことは、トーベ自身で感じていましたが、

ほとんどそのまま出版することにしたそうです。

長く物語が続くと、

だんだんと雰囲気や絵が変わること、今の漫画作品でよくありますよね。

ぼくは初期の頃のを修正してほしいとか、思いません。

過去のを見返して、変わったな~って気づくの、面白いですし、

それは作者や登場人物が成長しているってことだと思うからです。

これはトーベが書いた「ムーミン」小説の第一作目でありますが、

実はこれは最初に発行されたきり、世に出ていませんでした。

第二作目の「ムーミン谷の彗星」が第一作目だと思われていて、

そちらのほうがずっと有名だったそうです。

これからほかのムーミン小説も紹介するので、ぜひ興味を持ってもらえればと思います。

ありがとうございました!

参考:小さなトロールと大きな洪水 ヤンソン 冨原眞弓 訳 講談社 講談社文庫 2011年

   冨原眞弓 「訳者あとがき」より